イラン映画「人生タクシー」観ました
良かった!
映画制作などを禁止されているパナヒ監督が自ら運転するタクシーの車載カメラに映った、テヘランの人びとの人生。
イランのタクシーは乗り合いのようで、そこに乗り合わせた乗客同士の死刑賛否論、
外国映画の海賊版を密売する男、
学校で短編映画作りをすることになった、監督の姪っ子(それはもう、小生意気で口達者ですばらしくキュート!)
拘禁されている仲間へ真っ赤なバラの花束を抱えて会いに行く女性弁護士
、などなど、
車載カメラの前で繰り広げられる会話から、イランの文化統制の実情が見えてきて、底知れない怖さもあるのですが、全体はドタバタに近いユーモアも覆っていて、とても素敵な映画でした。
この本編上映の前に「7分のショート映像(という言い方だったか・・・)があります」というアナウンスがありました。
普通、「予告編」というのに、?と思っていましたら、
何と森達也監督による、前座的ショートムービーでした。
映画制作を禁じられた映画監督が、高校時代の映像を編集しているところに、警察が踏み込んできて「映画を作るな」「これはえいがじゃなくて映像だ」と言い合う、コント。
途中、「映画を撮るのは禁止されているが、編集は禁じられていない」とか言うと、「へりくつ言うな。教育勅語を読め!」って、!
これは、遅れて入館したら大損ですね。
終わって外に出るとき、前を歩いて行く女性たちが、「(日本も)こうなりかけてるのかも。こわいねぇ。」と言い合ってました。
« 日本ペンクラブ主催「共謀罪は私たちの表現を奪う」 | トップページ | 『日本児童文学』7-8月号特集は「壁を越えて」 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- イラン映画「人生タクシー」観ました(2017.04.23)